介護業界には様々な職種があり、施設形態によっても仕事内容は変わる。

まず訪問介護事業所のホームヘルパーとして働く場合、介護資格の取得が必要だ。訪問介護事業所への転職は介護資格有資格者が有利になるが、中でもサービス提供責任者になれる介護福祉士や介護職員実務者研修資格修了者はさらに有利になる。なぜなら訪問介護事業所には必ずサービス提供責任者を配置しなければならず、違反すれば業務停止などの重い処分を下される可能性があるからだ。

次に入居型介護施設や通所型介護施設などで働く場合、介護資格有資格者はもちろん介護資格無資格でも働くことができる。介護施設での仕事内容は施設の特徴によって異なる。要介護度が重い特別養護老人ホームなどでは、介護職員の他に医師や看護師も勤務している。日常の介護サービスの提供に加えて、専門的な医療ケアも必要になるからだ。さらに、利用者に食事を提供するため、管理栄養士や調理師なども勤務している。一方、ADLが自立しており介護予防を目的としている利用者が通う施設では、理学療法士や作業療法士、受動整復師などが機能訓練指導員として勤務している。このような施設では身体介護サービスの提供は行っておらず、運動療法やリハビリテーションがメインとなる。

このように利用者の目的に合わせて提供サービスの内容も変わるため、同じ介護業界の仕事でも必要とされる知識や技術は微妙に変わってくる。介護業界への転職を考える場合、自分の能力を活かせる施設選びが重要かもしれない。